アスプ

[中世博物誌]

【言語】Asp(アスプ)【ラテン語】
【出典】『博物誌』ほか

お互いが愛し合う伝説の蛇

アスプはエジプトに棲息するとされた伝説のヘビ。プリーニウスの『博物誌』などで紹介されている。コブラのような姿で、牙や息には猛毒があるとされるが、何よりもその視線には催眠効果があり、アスプに見られたものは眠ってしまうという。エジプト人はアスプを操る呪文を知っているが、アスプは呪文を聞くまいと耳を尻尾で塞ごうとする。また、常に雄雌カップルで暮らすことで知られ、その愛の深さが強調される。アスプは、カップルのうちどちらか一方が殺された場合、残った一方は執拗に敵を追いかけて復讐を果たすとされているのである。