ブラック・ドッグ

[イギリス伝承]

【言語】Black Dog(ブラッグ・ドッグ)《黒い犬》【英語】

イギリス各地に伝わる恐怖の黒犬!?

ブラック・ドッグはイギリス各地の伝承に残る真っ黒いイヌの妖怪の総称。日本では「黒妖犬」などと表記することもある。地域によってさまざまなヴァリエーションのブラック・ドッグがいる。イヌとはいっても、その大きさは仔ウシほどの大きさがある。闇に紛れた毛むくじゃらの真っ黒い姿で、眼だけがらんらんと赤く光っている。危害を加えない妖精犬とされる地域もあるが、基本的には恐ろしいものが多い。直接噛みつかなくても、見たり触れたりするだけで死んでしまう。恐怖だけで人間を死に至らしめることもあるという。マン島に出没したモーザ・ドゥーグ(Mauthe Dhoog)というブラック・ドッグも、唸り声だけで兵士を殺してしまう。神へ祈りを捧げると逃げ出すとか、流れる水は渡れないので川を渡ればそれ以上、追いかけてこないなどと言われている。

ちなみに、コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle)の『バスカヴィル家の犬(The hound of the Baskervilles)』に登場する奇怪なイヌは、イギリス古来より伝わるこのブラック・ドッグがモデルになっているとされる。