ハルピュイア

[ギリシア・ローマ神話]

【言語】Ἅρπυια(ハルピュイア)《ひったくるもの》【古代ギリシア語】
     pl. Ἅρπυιαι(ハルピュイアイ)【古代ギリシア語】
    Harpy(ハーピィ)【英語】

食卓を汚物で荒らし回る鳥女の怪物!?

ハルピュイアはギリシア・ローマ神話に登場する怪鳥。英語ではハーピィと呼ばれる。人間の女性の頭と乳房を持った海鳥の姿で想像されるが、古代ギリシアの壷絵などでは翼をはやした美しい女性の姿で描かれることも多い。いつも腹を空かせていて、青白い顔をしているという。ホメーロスは、アエロー、オキュペテー、ケライノー、ポルダゲーという4人のハルピュイアの名前を挙げている。アルゴー号の冒険の物語に登場するが、ピーネウス王の食事の時間になると、どこからともなくハルピュイアたちが飛んできて、食物を喰い散らかし、卓上を排泄物で汚していくという。このエピソードのために、ハルピュイアは卑しく汚らわしい怪物とされているが、古い時代は風の精霊だったと考えられている。