ヘカトンケイル

[ギリシア・ローマ神話]

名称Ἑκατόγχειρ(ヘカトンケイル)《百の手》【古代ギリシア語】 pl. Ἑκατόγχειρες(ヘカトンケイレス)
容姿50個の頭と100本の腕を持つ巨人。
特徴奈落タルタロスの門番。
出典『テオゴニアー(神統記)』,『ビブリオテーケー』ほか

ゼウスに加勢した百腕巨人!?

ヘカトンケイルはギリシア・ローマ神話に登場する百腕巨人。ウーラノスとガイアからうまれた100本の腕、50個の頭を持つ巨人族で、コットス、ブリアレオース、ギューゲース(あるいはギューエース)の3名の名前が知られている。ウーラノスに厭われてうまれてすぐにガイアの子宮へと押し戻され、クロノスにも厭われて奈落タルタロスに幽閉されていたが、大神ゼウスによって解放された。ティーターノマキアーではゼウスに加勢し、ティーターンたちに100本の腕で次々と巨大な岩を投げつけてゼウスの勝利に大きく貢献した。ゼウスはティーターンたちを奈落タルタロスに幽閉すると、その門番としてヘカトンケイルをあてがった。3人のうちブリアレオースはポセイドーンの養子となり、海神ポセイドーンに仕えた。呉茂一はヘカトンケイルたちは「波」の擬人化なのではないかとしている。