カヨーオヤシ

［アイヌ伝承］

名称Kayó-oyasi（カヨーオヤシ）《人呼びお化け》【アイヌ語】
容姿姿は不明。声だけ。
特徴「おーい」と呼びかけてくる。呼びかけに応じると命を取られる。

一度目の呼びかけに応じるのはＮＧ！？

樺太に伝わる妖怪。アイヌ語で《人呼びお化け》という意味で、その名の通り、狩りなどで山の中に入ると、何処からともなく「おーい」と呼びかけてくる。声だけなので、姿を見た人間はいない。うっかりこの呼びかけに応じてしまうと命を取られるという。

このように山の中での呼びかけに応じると不幸が訪れるという伝承は日本各地にある。妖怪というのは呼びかけるときに、一度しか声をかけないと信じられていて、そのため、山の中で誰かに呼びかけられても、決して一度目に返事をしてはいけないとされた。現在でも、山の中などで人に呼ぶときには二回、呼びかける風習がわずかに残っている。樺太アイヌの伝承も同様で、山中で呼び掛けられても、不用意に一度目で反応してはいけないのである。

《参考文献》