クルースニク

[スラヴ伝承]

名称Krsnik,Kresnik(クルースニク)【スロベニア語】
Крс́ник(クルースニク)【ロシア語】
容姿普通の人間と変わらない姿。
特徴白い羊膜をつけて生まれてくる。ヴァンパイア・ハンター。さまざまな白い獣に変身してクドラクと戦う。

生まれながらのヴァンパイア・ハンター!?

クルースニクはスロベニアやクロアチアなど、スラヴ伝承に登場するヴァンパイア・ハンター。吸血鬼であるクドラク(Kudluk)を退治する能力を持った特別な人間で、彼らと戦う宿命にある。しばしばスラヴ伝承に登場するダンピールと呼ばれるヴァンパイア・ハンターは吸血鬼と人間の混血児だが、クルースニクの場合、普通の人間から白い羊膜をつけて生まれてくるという。クドラクは赤い羊膜をつけて生まれてくるとされ、悪疫や凶作を引き起こすと信じられた。双方とも戦う際はさまざまな動物に姿を変えるが、クドラクは黒い獣に変身し、クルースニクは白い獣に変身して戦うという。

スラヴの古い神話では、ベロボーグ(Белобо́г)《白き神》とチェルノヴォーグ(Чернобо́г)《黒き神》の対立が語られる。クルースニクとクドラクの対立も、この古い時代の神話に根ざしているのかもしれない。

《参考文献》