スピンクス

［ギリシア・ローマ神話］

【言語】Σφίγξ（スピンクス）【古代ギリシア語】
　Sphinx（スフィンクス）【英語】

旅人に謎を掛ける怪物！？

スピンクスはギリシア・ローマ神話に登場する女の怪物。胸から上は美しい女性の姿で、ライオンの身体を持ち、背中にはワシの翼をはやしている。稀にヘビの尻尾をはやしている場合もある。怪物エキドナとテューポーンの娘で、驕ったテーバイ人を懲らしめるため、女神ヘーラーによってピキオン山に連れてこられた。スピンクスは通行人に「朝は４本、昼は２本、夕べには３本足で歩く生き物は何か？」という謎をかけ、謎に答えられなかった者を喰らってしまった。オイディプースがやってきて「それは人間である（赤ん坊は這い這いし、老人になると杖をつくから）」と見事に答えたため、スピンクスは崖から身を投げて死んだという。

スピンクスのような人頭でライオンの身体を持つ怪物は古代オリエント世界に多く伝わっていて、建物の入り口に飾られた。エジプトでもファラオの王権を守護する聖獣としてあちこちの遺跡から人頭のスフィンクス像が出土している。。ギザのクフ王のピラミッドの前に鎮座するスフィンクス像は非常に有名だろう。エジプトでは人頭のものだけでなく、ヒツジやハヤブサなど、それぞれの神さまと同じ頭部を持ったスフィンクスも多数つくられていた。古代ギリシアのスピンクスは、このような周辺地域の影響を受けて誕生したものと考えられている。