輪入道(ワニュウドウ)

[日本伝承]

【言語】輪入道(ワニュウドウ)【日本語】
【出典】鳥山石燕『今昔画図続百鬼』ほか

車輪についた大男の首、子供を襲う!?

輪入道(ワニュウドウ)は日本の伝承に登場する車輪の妖怪。牛車の車輪の真ん中に禿げた入道の顔がついている。夜な夜な炎に包まれて街中を走り回るという。鳥山石燕が『今昔画図続百鬼』の中で紹介していて、輪入道を見たものは魂を抜かれるなどと書いている。『諸国百物語』には「かたわ車」という名前で同様の車輪の妖怪が登場している。この妖怪は子供を襲う恐ろしい存在として描かれている。ある夜中、子持ちの女が見てはいけないと言われていたのに、好奇心に負けて戸口から輪入道が街中を走っているのを覗いてしまった。すると輪入道は血塗れの子供の手を引きずっている。女が輪入道を眺めている間に、子供が八つ裂きにされてしまったのである。通常、片輪車(カタワグルマ)は女性の妖怪として描かれる。おそらく鳥山石燕は、この男性の片輪車から着想を得て輪入道として紹介したのだろう。