ワーム/ウュルム

[イギリス伝承]

【言語】Worm(ワーム),Wyrm(ウュルム)【英語/古英語】

イギリス伝承の悪役、英雄に退治される巨大な大蛇の怪物!?

ワームはイギリスの伝承に登場する蛇(へび)の怪物。ドラゴンの一種とされるが、古い伝承では翼も手足もない巨大な蛇の姿をしている場合が多い。ぬるぬるの身体で、毒の息を吐き出す。大抵、物語の中では悪役で、井戸や泉など水辺に棲みつき、村を荒らしたり、乙女などを攫ったりする。身体を斬られても、再び元通りにくっついてしまう。そのため、川上で戦いを挑み、身体を斬り落としては、その肉片を川下に流してしまうなどの工夫をして退治する。また巻きついて絞め殺そうとしてくるため、トゲのついた鎧などに身を包み戦うという物語が多い。時代が下るとドラゴンと同一視されるようになり、他のドラゴンと同様に手足や翼があると考えられるようになった。イギリスのワーム伝承には、足が12本もあるワームもいる。

「ワイアーム」って何!?

ちなみに近年のゲームなどに「ワイアーム」という翼をはやしたヘビのような姿のドラゴンの仲間が登場する。これは80年代に海外ゲームを輸入した過程で、wyrm(ウュルム)をカタカナ読みする際に「ワイアーム」と誤読したものと思われる。特別、翼をはやしたワームのことを「ワイアーム」と呼ぶわけではないので注意が必要。