アンズー
[シュメール・アッカド神話]
【言語】Anzu(アンズー),Zu(ズー)〔アッカド語〕
Imdugud(イムドゥグドゥ)〔シュメール語〕
王の座を狙った怪鳥!!
アンズーはシュメール・アッカド神話に登場する怪鳥。ライオンくらいの大きさのワシで、頭部がライオンになっている。もともとは神々の王エンリルの神殿の守護者で、風を自在に操り、どんな鳥よりも速く飛ぶことができた。『エヌマ・エリシュ』によれば、あるとき、アンズーは野望を抱き、エンリルから「天命のタブレット(トゥプシマティ)」と呼ばれる粘土板を奪った。このタブレットによって強力な力を得て神々を支配しようとしたのである。この叛乱は結局、鎮圧されることとなった。この物語にはいくつかのヴァージョンがあり、退治した英雄の名が複数ある。英雄ギルガメシュの父親である英雄ルガルバンダが退治したとする物語もあれば、戦神ニヌルタが退治したというものもある。マルドゥクが討伐に向かったというヴァージョンもある。ライオンとワシの組み合わせによる怪物であり、ギリシア・ローマ神話に登場するグリュプス(グリフィン)との関連も指摘されている。