バーバ・ヤガー

[スラヴ伝承]

【言語】Ба́ба-Яга́(バーバ・ヤガー,バーバ・イガー)【ロシア語】
【容姿】骨と皮だけの老婆。
【特徴】人喰い。森の中に棲む。臼(うす)に乗って移動。

ロシアの森の奥に棲む恐ろしい人喰い妖婆!?

バーバ・ヤガーはスラヴ伝承に登場する森の魔女。日本の山姥(ヤマンバ)やイギリスのHag(ハッグ)に似て、人をさらって喰らう。骨と皮だけのガリガリの老婆で、森の中の一軒家に棲んでいる。バーバ・ヤガーの小屋は、一本の鶏(にわとり)の足の上に建っていて、くるくると回転しているという不思議な小屋で、その小屋は無数の髑髏(どくろ)で飾られているという。バーバ・ヤガーが移動するときには、細長い臼(うす)に乗って移動する。杵(きね)で漕ぐと、臼は地面の少し上を浮遊するように移動する。臼を少し引きずりながら進むため、移動した跡が残る。移動した後が残ら ないように、バーバ・ヤガーは臼が引きずった後を箒(ほうき)で消して進むという。多くの場合、子供などがさらわれ、バーバ・ヤガーに喰われる。しかし、礼儀正しい人間にはアドバイスをくれたという伝承もある。

19世紀のロシアの作曲家ムソルグスキー(Моде́ст Петро́вич Му́соргский)の組曲『展覧会の絵(Картинки с выставки)』には「鶏の足の上に建つ小屋~バーバ・ヤガー(Избушка на курьих ножках - Баба-Яга)」という楽曲がある。この楽曲のタイトルで「バーバ・ヤーガ」として表記されて広まったことから、日本では「バーバ・ヤーガ」と誤記されることが多い。