クロコッタ

[中世博物誌]

【言語】Crocotta(クロコッタ),corocotta(コロコッタ),crocuta(クロクータ)【ラテン語】
【出典】プリーニウス『博物誌』ほか

決してすり減らない強靭な歯を持った怪物!?

クロコッタはイヌとオオカミのあいのこみたいな怪物。古代ギリシアの著述家クテーシアス(Κτησίας)の『インド誌(Τα Ἰνδικά)』、ストラボーン(Στράβων)の『地理書(Γεωγραφικά)』、古代ローマの著述家プリーニウス(Gaius Plinius Secundus)の『博物誌(Naturalis Historia)』など、さまざまな著作に登場する怪物。クロコッタはインド、あるいはエティオピアに棲むという。口が耳の辺りまで裂けていて、歯はすべてひとつながりの骨のようになっている。この歯は非常に頑丈で、欠けたりすり減ったりすることはないとされる。また、人間の声やウシの声をそっくりに真似することができる。ハイエナと牝ライオンが交わるとうまれるという。似たような歯を持ち、もう少しサイズの大きいレウクロコタという怪物も、プリーニウスが紹介している。