ヒッポグリフ
[ヨーロッパ伝承]
Hippogriff(ヒッポグリフ)【英語】 | |
容姿 | ワシの翼と前半身と馬の後半身を持つ怪物。 |
特徴 | 絶対に生まれるはずのない存在。 |
出典 | アリオスト『狂えるオルランド』(16世紀) |
決して生まれ得ない怪物!?
ヒッポグリフはグリュプス(グリフィン)が牝ウマを孕ませてうまれる怪物。ワシの翼と前半身、馬の後半身を持っている。元来、グリュプスはウマが大好物だとされている。そのため、ウェルギリウスは『牧歌』の8巻の中で、
Iungentur iam grypes equis, aevoque sequenti
cum canibus timidi venient ad pocula dammae.
グリュプスと牝馬との交配というのは、
猟犬とシカが一緒に水を飲むというのと同じで、永遠に起こらないことだ。
と説明している。これに着想を得た16世紀のルドヴィーコ・アリオストは『狂えるオルランド』の中に登場させた。英雄ルッジェーロを背中に乗せてヨーロッパ中を飛び回った上、アストルフォを乗せて月まで飛んでいった。