一本踏鞴(イッポンダタラ)

[日本伝承][妖怪]

【言語】一本蹈鞴,一本踏鞴(イッポンダタラ)【日本語】

一本足で現れる山の妖怪!?

一本踏鞴は和歌山県や奈良県の山の中に棲む妖怪。その姿や性質は伝承によってまちまちだが、いずれの場合も一本足の妖怪であるという点では共通している。雪の中に一本足の足跡が残されているだけで姿が分からないもの、一つ眼で一本足の巨人、一つ目で電柱のようなシルエットでくるくると回っているもの、一つ目の河童など、いろいろと伝承によってその姿は異なる。12月20日に山に入ると一本踏鞴と遭遇し、襲われるとして、入山が禁止されている地域もある。

その名前からタタラ師(すなわち鍛冶師)との関連も指摘されている。一つ眼で一本足という姿は、タタラ師が重労働の末、片目と片脚が萎えることに由来するとも言われる。出現場所が鉱山の付近であることも指摘されている。タタラ師の亡霊とか、一つ目の鍛冶神である天目一箇神(アマノマヒトツノカミ)が零落したものなどと説明されることもある。