ヨートゥン
[北欧神話]
【言語】Jǫtunn(ヨートゥン)【古ノルド語】
【出典】『王の写本』『エッダ』ほか
北欧の神々に敵対する巨人族!?
ヨートゥンは北欧神話に登場する霜の巨人族。原初の巨人ユミルの子孫で、一時は大いに繁栄した。ところがオージンら神々がユミルを殺害し、その死体から世界をつくったときに、ユミルから溢れ出した血液の大洪水で、そのほとんどが死滅してしまった。唯一、ベルゲルミルという巨人とその妻だけが生き残り、それが現在のヨートゥンたちの祖先になった。彼らはヨートゥンヘイム(巨人の国)に移住し、神々に抵抗する凶悪な勢力として神話にしばしば登場する。けれども、オージンの母親であるベストラもヨートゥンの一人であり、ロキ神もヨートゥンの血を継いでいる。フレイは女巨人のゲルズに恋をして妻にしているなど、神話の中でも完全な悪役というわけでもない。