レーシィ

[スラヴ伝承]

名称Ле́ший(レーシィ,リェーシィ),Лесови́к(レソヴィーク,リサヴィーク)【ロシア語】
容姿長い髪と髭(ひげ)に覆われた痩せこけた妖精。大きくも小さくもなれる。
特徴森の守護霊。森で旅人を迷わせる。声真似が得意。

旅人を森の奥へと迷いこませる森の守護霊!?

スラヴ伝承に登場する森の精霊。森と動物の守護霊である。その名前はロシア語で《森林》を意味するле́с(レース)に由来している。手足は細く痩せていて、青白い肌をしており、全身が長い髪と髭(ひげ)に覆われ、顔は隠れてしまっている。緑色の目をしているという。大抵、どの森にもレーシィが一人は棲んでいるという。そしてレソヴィーハ(Лесови́хаあるいはレショチーハ(Лешачи́ха)という妻と、レショーンキ(Лешо́нкиという子供を持つと考えられている。木々と同じくらい巨大にもなれるし、木の葉の下にも隠れられるくらいにも小さくなることもできる。

森に入り込んだ人間を森の奥深くに迷い込ませようとする。人真似が得意で、森に迷い込んだ人間の知人とそっくりの声で話しかけてくるという。そして人間が沼地にはまりこむか、疲れ果てて動けなくなるのを見て笑うという。そんなレーシィ対策として、靴を左右反対に履いて、服を前後逆さまに着るという方法が伝わっている。そうすれば、レーシィに道に迷わされることはないという。また、ロシアの精霊は得てして謎掛けが好きだが、レーシィも旅人に謎を掛けてくることがある。うまく答えれば解放してくれるという。