ライカンスロープ
[スラヴ伝承][ヨーロッパ伝承]
Lycanthrope(ライカンスロープ)【英語】 Λυκάνθρωπος(リュカントローポス)【古代ギリシア語】 ※ λύκος(リュコス)《オオカミ》+ἄνθρωπος(アントローポス)《人間》【古代ギリシア語】 Werewolf(ヴェアヴォルフ)【ドイツ語】 Werewolf(ワーウルフ)【英語】 ※ were(ヴェア)《人間》+wolf(ヴォルフ)《オオカミ》【古ゲルマン語】 | |
容姿 | 毛深い人間。夜は狼の姿。 |
特徴 | 夜になると狼に変身して人間を襲う。 |
満月の夜に狼に変身!?
ライカンスロープは、いわゆるオオカミ人間のこと。日本語では「人狼」と訳されることもある。満月の夜などに人間がオオカミに変身するという伝承は有名だが、これはもともと東欧や北欧の伝承に由来する。ライカンスロープはヨーロッパ全域の森林地帯に棲息し、普段は人間と同様に暮らしているが、夜になるとオオカミに変身する。その際、理性は失われ、凶暴になって人間や家畜を襲うという。完全にオオカミになってしまうものと、全身に毛がはえるものといる。先天的にライカンスロープとして生まれるものもいるが、ライカンスロープに襲われた人間もライカンスロープになるという伝承もある。後代には満月と結び付けられたり、銀の銃弾で殺すなどのさまざまな要素が盛り込まれた。
近年のファンタジー小説やゲームでは獣憑き全般のことをライカンスロープと表現しているようで、オオカミに限定されないで用いられることも多い。また、ワーウルフに着想を得て、ワーラット(ネズミ人間)、ワーキャット(ネコ人間)、ワータイガー(トラ人間)など、様々な獣人が誕生している。