目目連(モクモクレン)
[日本伝承]
目目連,目々連(モクモクレン)【日本語】 | |
容姿 | 破れ障子にたくさんの眼。 |
出典 | 鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』 |
破れ障子に並ぶたくさんの眼!!
目々連(モクモクレン)は鳥山石燕が描いた妖怪。おそらく鳥山石燕のオリジナルの妖怪で、人が住まなくなったような廃屋の破れ障子に、無数の目がたくさん張りついたような不気味な姿で『今昔百鬼拾遺』に描かれている。説明には次のように書かれている。
煙霞跡なくして、むかしたれか栖し家のすみずみに目を多くもちしは、碁打のすみし跡ならんか
(鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』「目目連」より)
つまり、碁打師が碁盤に注いだ念が家に宿って、あちこちに目となって現れたということで、碁盤の目にかけた洒落なのだろう。古い文献では、鳥山石燕以外に目々連に関する文献は見つからないので、おそらく彼の創作妖怪のひとつなのだろう。山田野理夫は『東北怪談の旅』の中に目々連を登場させている。ここに収録された話では、あるケチな材木商が宿泊費をケチって廃屋に泊まったところ、目々連が出現。ところが材木商はこの妖怪を恐れず、あろうことか、この目を集めて持って帰って、眼医者に売り飛ばしてしまったというからものすごい物語である。おそらく、これは鳥山石燕の妖怪にインスピレーションを受けてつくった山田野理夫の創作である。