モート
[ウガリット神話]
Mt(モート)《死》〔ウガリット語〕 | |
特徴 | 死と不毛の乾季を司る神。バアル神の兄弟。バアルを呑み込む。 |
彼の口は冥界へと繋がる!?
モートはウガリット神話に登場する死の神。不毛の乾季と死を司る。豊穣神のバアルとは兄弟で、互いに争う。バアル神は神々の王としてモートに戦いを挑むが呑み込まれてしまう。モートの口はそのまんま冥界へと繋がっている。バアルの妻で戦いの女神アナトがバアルの仇を打つ。モートの死体は彼女の手によって刀で切り裂かれ、火で焼かれ、石臼で挽かれ、野原にばら撒かれる。こうしてアナトはバアルを取り戻し、世界に豊穣が取り戻される。このバアルとモートの戦いは「豊穣」と「不毛」、すなわちシリアの雨季と乾季の入れ替わりを説明する神話であると解釈されている。