ナホビ
[記紀神話]
【言語】神直毘神(カミナホビノカミ)〔記〕、神直日神(カミナホヒノカミ)〔紀〕【日本語】
大直毘神(オホナホビノカミ)〔記〕、大直日神(オホナホヒノカミ)〔紀〕【日本語】
【容姿】特に記述なし
【特徴】禊祓いの神。
【出典】『古事記』『日本書紀』など
穢れを祓う神!?
ナホビ神は記紀神話に登場する禊祓いの神。イザナギ神が黄泉の国から帰ってきたときに、その穢れを祓ったときにマガツヒ神が誕生した。これは死者の穢れを擬人化した災厄の神さまだが、その後、その穢れを直すために二人のナホビ神が誕生したという。『古事記』では、神直毘神(カミナホビ神)、大直毘神(オホナホビ神)が生まれたと説明されている。※『日本書紀』でも神直日神(カミナホヒ神)、大直日神(オホナホヒ神)が生まれたとしている。
マガツヒ神とナホビ神はいわば対の関係にある神さまである。福岡市の警固神社などでは、マガツヒ神とナホビ神を一緒に祀っている。
江戸時代の国学者である平田篤胤(1776年~1843年)は、マガツヒ神を善神とし、悪を悪だと認識する人間の心を司る神さまとした。悪に直面したときに憤る心はマガツヒ神によって喚起され、そしてナホビ神によってやがて憤りは鎮められるのだと説明している。
※このときに同時に伊豆能売(イヅノメ)も誕生したとされているが、伊豆能売(イヅノメ)についてはよく分からないことが多い。禊祓いを執り行う巫女と考えられている。