ネーレーイス

[ギリシア・ローマ神話]

名称Νηρηίς(ネーレーイス) pl. Νηρηίδες(ネーレーイデス)【古代ギリシア語】
容姿非常に美しい女性の姿
特徴海の精霊(ニュムペー)。
出典『イーリアス』,『神統記(テオゴニアー)』,『ビブリオテーケー』,『物語集(ファーブラエ)』ほか

美しい海の精霊(ニュムペー)たち、海底に暮らす!?

ネーレーイスはギリシア・ローマ神話に登場する海のニュムペー(精霊)。海神ネーレウス(Νηρεύς)とドーリス(Δωρίς)の娘たちで、50人いるとも100人いるともされる。《ネーレウスの娘》という意味である。みんな美しい女性の姿をしている。有名なネーレーイスは海神ポセイドーン(Ποσειδῶν)の后になったアムピトリーテーἈμφιτρίτη)や英雄アキレウス(Ἀχιλλεύς)の母テティス(Θέτις)などがいる。彼女たちは海神ネーレウスとともに海底に暮らし、しばしば上半身が馬、下半身が魚のヒッポカムポスἸππόκαμπος)などに乗って移動する姿が描かれる。

アイティオピア(エティオピア)の王女カッシオペイア(Κασσιόπεια)は自分の美しさを鼻にかけ、ネーレーイスたちよりも自分の方が美しいと言った。それを聞いたネーレーイスたちは怒り、海神ポセイドーンに訴え出た。そこでポセイドーンは怪物ケートスΚῆτος)をアイティオピアへと送り込み、大暴れさせた。そのため、アイティオピア王ケーペウス王は娘のアンドロメダー(Ἀνδρομέδα)を生け贄として捧げなくてはならなくなってしまった。