オプケルイペ
[アイヌ伝承]
Opke-ruy-pe(オㇷ゚ケルイペ)《猛烈に屁をする者》,Opke-oyasi(オㇷ゚ケオヤシ)《屁をするお化け》【アイヌ語】 (※「ㇷ゚」はPCやOSによってはうまく表記されていない可能性がありますが、小文字の「プ」です) | |
容姿 | 容姿不明。人間に化ける。 |
特徴 | 屁をする化け物。 |
この化け物、ところ構わず強烈に放屁!?
オプケルイペ、あるいはオプケオヤシは樺太のアイヌ伝承に登場する屁のお化け。アイヌ語でopke-ruy-pe(オㇷ゚ケルイペ)《猛烈に屁をする者》とかopke-oyasi(オㇷ゚ケオヤシ)《屁をするお化け》を意味する。日本語ではオッケルイペとかオッケオヤシなどと表記される場合も多い。
このお化けは名前のとおり、強烈な屁を放つ。囲炉裏などに突然、現れると、ポァ、と屁の音を立てる。すると、あっちでもこっちでも際限なくポァ、ポァっと屁の音がして、強烈な臭いがするのだという。堪らないので、こういう場合には、人間も屁を放てばいいようで、そうすると恐れ入ってオプケルイペは姿を消してしまう。どうしても屁が出せないときには口真似で「ポァ」と言うのも有効で、それだけでも姿を消すという。
強烈な屁は舟をも破壊する!?
樺太のアイヌ伝承にはしばしば登場するといい、人間の姿に化けるときもある。ある伝承では、人間の姿に化けたオプケルイペは舟に乗せてもらったが、川の上で強烈な屁を放ち、舟を破壊したと伝えられている。この船乗りは、もう一度、このオプケルイペと遭遇しており、その際には隙を見て殴り倒した。その正体は黒い狐だったという。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
- 『日本妖怪大事典』(編著:村上健司,画:水木しげる,角川書店,2005年)