ポイニクス

[ヨーロッパ伝承]

【言語】Φοῖνιξ(ポイニクス)【古代ギリシア語】
    Phoenix(フェニックス)【英語】

炎の中から甦る伝説の不死鳥!?

ポイニクスは古代ギリシア・ローマを中心に信じられた伝説の霊鳥。英語ではフェニックス、日本では不死鳥などと訳される。ワシくらいの大きさの猛禽で、首の周りが金色、身体は紫色、尾は薔薇色が混ざった青い羽をしている。世界に1匹しか存在しない鳥とされ、多説あるが、500年ほど生きると、アラビアに飛んでいき、そこで巣をつくって死ぬ。自らの身体を焼き、その炎の中から甦るとされた。プリーニウスは『博物誌』の中で、死体の骨からウジ虫の姿で生まれ、それが雛鳥になって、やがて立派な親鳥に成長すると説明している。ポイニクスは一生に一度だけ、エジプトのヘリオポリス(イウヌゥ)に飛んでくる。目撃されるのはこのときだけだという。ポイニクスの血を飲むと不老不死が得られると信じられるようになり、多くの権力者たちがこの鳥を探し求めた。

古代エジプトの霊長ベヌウの伝説がギリシアに伝わってできたものとされるが、死と再生の伝説は古代ギリシア・ローマの文献にしか現われない。