ラハブ
[ユダヤ教][キリスト教]
רחב(ラハブ)【ヘブライ語】 Rahab(ラハブ)【英語】 | |
容姿 | 水の怪物。竜。 |
特徴 | 神に逆らって海に投げ込まれた。地中海の象徴。 |
出典 | 『ヨブ記』ほか |
神に逆らって海に投げ込まれた海竜!?
ラハブは旧約聖書の『ヨブ記』に言及される海の怪物。レヴィアタンのような海竜とも全身が水でできた怪物とも言われ、かつて神によって退治された。『イザヤ書』では「タンニーン《竜》」という言葉が使われているので、その姿はドラゴンとして想像されていたものと思われる。ユダヤの伝承ではもともと天使だったともされていて、天地創造のときに神に逆らったために蹴り殺されて海に投げ込まれたという。このため、ラハブは堕天使の仲間とも考えられている。似たような海の怪物レヴィアタンと同一視されることもある。聖書の中ではエジプトの象徴として語られることが多く、地中海そのものとも考えられている。モーセがエジプトを脱出するときに神に祈ると海が割れたという出来事を、神が海竜ラハブを割ったとして説明しているのである。