サンダーバード
[北米伝承]
【言語】Thunderbird(サンダーバード)【英語】
アメリカ・インディアンたちの崇拝する神!?
北アメリカに住むアメリカン・インディアンたちの神話に登場する霊鳥。ワシのような巨大な猛禽で、その鳴き声や羽ばたきが稲光や雷鳴になる。アメリカン・インディアンの多くの部族の共通の存在として神話に登場するが、名前は部族によって異なる。たとえば、スー族はサンダーバードのことを「ワキンヤン(Wakinyan)」と呼び、ユーコン地方では「ティンミウクプク(Tinmiukupuk)」と呼んでいる。その姿や性格も部族によって大きく異なる。神さまとして崇拝している部族もあれば、恐ろしい怪物として描写している部族もある。その姿もさまざまで、赤い羽毛の巨大な鳥として想像されることもあれば、スー族のように人間の顔を持つ鳥とされることもある。ハイダ族は腹部に人間の顔を持った鳥である。いずれにしても、一般に、巨大な猛禽類であること、雷と関連づけられることは共通している。人語を話すという伝承もあれば、木の幹を握っていたり、湖を背中に載せて運んだという伝承もある。海までクジラを捕りに行って丸ごと食べてしまうというサンダーバードもいれば、飢饉に瀕した部族を救うためにクジラを持ってきてくれたという伝承もある。サンダーバードが創造神であるとして崇拝している部族もいて、人間がサンダーバードの卵からうまれたという伝承もある。一方でユーコン地方の伝承のように、人間を捕食するという恐ろしい怪物として描かれることもある。サンダーバードが山に火を点けるために火山が噴火するとする地域もある。このように部族によって位置づけは様々だが、基本的には畏怖の対象で、神として崇拝されていることが多い。しばしばトーテムポールの一番上に羽を広げた姿で置かれる。