ウーラノス

[ギリシア・ローマ神話]

【言語】Οὐρανός(ウーラノス)《天空》【古代ギリシア語】
【出典】『テオゴニアー(神統記)』ほか

神々を生み出した天空神!!

ウーラノスはギリシア・ローマ神話に登場する天空神。ヘーシオドスによれば、世界の最初、カオス《穴っぽこ》だけが存在していた。そこからガイア《大地》、タルタロス《奈落》、エロース《性愛》が誕生したという。ガイアは単独でウーラノス《天空》をうんだ。カオスの上方にはウーラノスが、そして下方にはタルタロスが、そして真ん中にはガイアが座を占めた。ウーラノスはガイアの最初の夫となり、世界の支配権を獲得した。ウーラノスとガイアは交わり、クロノスら12人のティーターンたち、百腕巨人のヘカトンケイルたち、一つ眼巨人のキュクロープスたちをうんだ。ウーラノスは、ヘカトンケイルとキュクロープスのあまりの異形さに驚き、その力を怖れて彼らを再びガイアの子宮へと押し戻した。これに苦しんだガイアはティーターンらを呼び出し、クロノスに金剛の鎌を授けた。クロノスは母の言いつけ通り、ウーラノスがガイアに交わろうと空から降りてきたときに、その鎌でウーラノスの男根を斬り落とした。こうして天地は分離し、ガイアの子宮からヘカトンケイル、キュクロープスが飛び出してきた。その後、世界の支配権は息子のクロノスが継ぎ、ウーラノスは以来、神話の表舞台にはあまり登場しない。