ウーロボロス
[ヨーロッパ伝承]
【言語】Ὀυροβόρος(ウーロボロス)《尾を飲み込むもの》【古代ギリシア語】
自分の尻尾を自分でくわえる世界蛇!
ウーロボロスは自分の尾を銜えている大蛇。古代ギリシアの哲学者たちが「無限」の象徴として図像化されたもので、特に伝承が残されているわけではない。ヘビが脱皮を繰り返し、成長していくため、死と再生のイメェヂが与えられた。そのヘビが自らの尻尾を食べる図像で、始まりも終わりもない無限の存在と考えられるようになった。この宇宙をぐるりと取り巻いているとされる。古代ギリシアの地図にも、世界をぐるりと取り巻くオーケアノス河と一緒に、このウーロボロスの図像が描かれていることがある。また、黄道十二宮(ゾディアック)の周りにウーロボロスの絵が附されることもある。グノーシス主義の宇宙観や中世の錬金術思想の中で積極的に多用され、完全な存在として重要視された。このような図像は古くは古代エジプトに遡れるとされ、その他にも、世界各地に同様の図像を見ることができるという。北欧神話に登場する大蛇ヨルムンガンドも、この世界をぐるりと取り巻いて自らの尻尾を銜えている。