魍魎(ワーンリヤーン)
[中国伝承]
【言語】魍魎(魍魉)〔WăngLiăng〕(ワーンリヤーン)【中国語】
魍魎(モウリョウ)【日本語】
【出典】鳥山石燕『今昔画図続百鬼』ほか
死体を貪る水の精霊!?
魍魎(ワーンリヤーン)は中国の妖怪染みた水の精霊の総称。日本では魍魎(モウリョウ)と呼ばれている。「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」という表現があるが、魑魅(チーメイ)が山の瘴気からうまれた精霊のことを指し、魍魎(ワーンリヤーン)が水や石、木などの精霊を指す。これらを合わせて、山も川も妖怪全部を指して「魑魅魍魎」などというのである。魑魅も魍魎も、その姿は明確ではないが、魍魎については3歳くらいの子供のような姿で、赤黒い肌をしているとも言われている。眼が真っ赤で、長い耳を持ち、髪の毛は美しいという。死者の肝臓を好んで食べるとも言われ、鳥山石燕は『今昔画図続百鬼』に墓を暴き、死体を喰らおうとしている魍魎の絵を描いている。『捜神記』には、魍魎は黃帝の血を引く存在と書かれている。マラリアを起こす瘧(おこり)の神の兄弟なのだという。