ソール

[北欧神話]

名称Þórr(ソール,あるいはトール)【古ノルド語】
容姿赤髭。
特徴雷神。戦神。結婚と豊穣を司る。
出典『ヒュミルの歌』『ギュルヴィたぶらかし』ほか

豪快で陽気な農民たちの雷神ソール!?

ソールはアース族(Æsir)の一人で、雷を司る戦神。オージン(Óðinn)と大地の女神ヨルズ(Jǫrð)の子とされる。顔中、赤い髭(ひげ)を生やしているため、「赤髭」と呼ばれることもある。全てを粉砕する槌(ハンマー)であるミョッルニル(Mjǫllnir)と、その特殊な槌の柄を握るために必要な鉄の手袋であるヤールングレイプ(Járngreipr)、そして全身の力がみなぎる腹帯のメギンギョルズ(Megingjǫrð)というアイテムを持っている。これらを用いてフルングニル(Hrungnir)、スリュム(Þrymr)、ゲイルロズ(Geirrǫð)など、神々の宿敵である霜の巨人族ヨートゥン(Jǫtunn)たちを次々と打ち倒し、巨人族にも怖れられている。

ミョッルニルは、戦いの道具としてだけでなく、結婚と出産を祝福する道具としても使用され、ソールは結婚と農作物の実りを守護する。大食漢で大酒呑みで、単純で愚直な神で、農民階級に篤く信仰された。本来、オージンと並ぶほど勢力のある神だったが、貴族階級の台頭により、オージンの子供にされてしまった。

ソールは『ヒュミルの歌(Hymiskviða)』ではヨルムンガンド(Jǫrmungandr)を釣り上げようとしており、『ギュルヴィたぶらかし(Gylfaginning)』ではウートガルザ・ロキ(Útgarða Loki)の館でヨルムンガンドが変身した猫を持ち上げようとするなど、何度かソールとヨルムンガンドとの対決が描かれるが、ラグナロク(Ragnarøk)の際には、ヨルムンガンドと一騎討ちし、ヨルムンガンドを打ち取った。けれども、ソールもその毒にやられ、命を落とすこととなる。

「Þ(ソーン)」はアルファベットにない文字であるため、ドイツ語などでは「T(テー)」に置き換えられたため、日本ではしばしば「トール」とも呼ばれる。こちらの表記の方が広く知られているかもしれない。

木曜日はソールの日!?

木曜日のことを英語で「Thoursday(サーズディ)」というが、これは《ソールの日》という意味。しばしばギリシア・ローマ神話のゼウス(Ζεύς)、あるいはユーッピテル(Juppiter)と同一視される。ちなみに水曜日がオージンの日、火曜日がティール(Týr)の日、木曜日がフリッグ(Frigg)の日、あるいはフレイア(Freyja)の日である。