ユミル

[北欧神話]

名称 Ymir(ユミル)【古ノルド語】
Aurgelmir(アウルゲルミル)【古ノルド語】
容姿巨人。
特徴原初の巨人。両性具有で、単体で多くの霜の巨人族を生み出した。オージンらに殺されてこの世界の材料となった。
出典『巫女の予言』『ヴァフスルーズニルの歌』『グリームニルの歌』『ギュルヴィたぶらかし』ほか

この世界になった原初の巨人!?

ユミルは北欧神話に登場する原初の巨人。北欧神話の世界では原初にはギンヌンガガプ(Ginnungagap)と呼ばれる巨大な裂け目があり、氷の国ニヴルヘイム(Niflheimr)と炎の国ムースペッルスヘイム(Múspellsheimr)しかなかった。ニヴルヘイムから飛来した霜が、ムースペッルスヘイムの熱で溶かされ、滴になった。その滴が凝固して巨人ユミルが誕生したという。同様にして原初の牝牛アウズムブラ(Auðumbla)が生まれ、ユミルはこの牛の乳を飲んで生きていた。やがてアウズムブラが舐める氷の中から、神々の始祖であるブーリ(Búri)がうまれ、ブーリからその他の神々が誕生したという。

ブーリの孫であるオージン(Óðinn)ら神々はユミルを殺して、その死体からこの世界を創ったという。『グリームニルの歌(Grímnismál)』によれば、ユミルの身体は大地に、血は海に、骨は岩に、髪の毛は樹木に、頭蓋骨は天に、脳髄は雲になったという。また、睫毛(まつげ)は巨人族と人間を分かつためのミズガルズの柵になったという。

ユミルは霜の巨人族であるヨートゥン(Jǫtunn)の始祖で、『ヴァフスルーズニルの歌(Vafþrúðnismál)』によれば、彼らはユミルの寝汗から誕生したという。ユミルが右足と左足を擦り合わせることで子供をなしたのだという。また、殺されたユミルの死体からは蛆(うじ)が湧き、これは小人族であるドヴェルグ(Dvergr)になった。

《参考文献》