アジ・ダハーカ
[ゾロアスター教]
Aži Dahāka(アジ・ダハーカ)〔アヴェスター語〕 | |
容姿 | 3つの頭を持つ竜。 |
特徴 | 悪竜。 |
出典 | 『アヴェスター』ほか |
悪神の最強の配下、悪竜アジ・ダハーカ!?
アジ・ダハーカはゾロアスター教の神話に登場する悪竜。悪神アンラ・マンユの配下で3つの頭を持ち、千の術を使うという。悪神アンラ・マンユが善神アフラ・マズダーと戦うために造り出した。『アヴェスター』にも言及されていて、バビロンにあるクリンタ城を根城に、アジ・ダハーカはさまざまな悪をなし、アフラ・マズダーの息子で炎の精霊アータルと「光輪(クワルナフ)」を巡って激しく争った。その後、英雄スラエータオナがアジ・ダハーカをアジ・ダハーカを退治しようと剣で身体を突き刺すと、そこからトカゲやヘビ、カエル、サソリなどの邪悪な害虫が次々と這い出したため、結局、縛り上げてダマーヴァンド山に幽閉することになったという。世界の終末のときにはアジ・ダハーカはこの縛めを解いて復活し、善神の創造物の三分の一を喰らうという。このときは英雄クルサースパがこの悪竜を退治することになっている。
後代、イスラーム世界において、イラン文学『シャー・ナーメ』にもザッハークという王に姿を変えて登場する。ザッハークは毎日、二人の人間を生け贄として要求し、両肩の蛇がこれらを喰らっていたという。英雄フェリドゥーンが退治した。